NPO法人日本トゥレット協会は、2001年に、トゥレット症の当事者、家族、支援者などによって、日本トゥレット(チック)協会が任意団体として発足したことに端を発しています。当時はトゥレットという名前が世間でほとんど知られていなかったので、(チック)を名称に含めたのですが、2003年にNPO法人となるにあたって、日本トゥレット協会と改名して今に至っています。

トゥレット症とは一言で言うと運動チックおよび音声チックが持続するチック症となるのですが、実際には、トゥレット症のある人はひとりひとりが大きく違っています。チックの種類や重症度などに加えて、併存症の有無や程度、チックをはじめとするものごとの受けとめ方、家庭や学校を含む生活の環境などが、人によって異なり、それらが関わり合って十人十色となるのでしょう。

しかし、チックがありながらもがんばりたいと思っているのになかなかうまくいかずに困っていること、そういう状況を周囲にわかってもらいたいことは共通しているように思います。

そうしたトゥレット症の当事者、さらには家族の思いに応え、トゥレット症に対する周囲の理解が進んでトゥレット症のある人や家族が暮らしやすくなるようにと活動してきたつもりですが、まだまだ不十分なことが多いと思います。

今後、理解啓発をさらに推進するのはもちろんのこと、支援や研究についても当事者、家族、支援者などがそれぞれの強みを生かしながら協力し合って活動を展開していけたらと思っています。同時に、協会会員であることのメリットを実感できるようなサービスの向上も引き続き心がけたいと思います。多様なニーズすべてにすぐに応じることはできないでしょうが、それらを拾い上げて将来の活動につなげたりその道筋を発信したりもできればと思っています。また、例えばCOVID-19感染に伴って生じたような社会状況の変化がトゥレット症のある人にもたらす影響についてもできる範囲で対応したいと思っています。

以上のように、協会会員を含めた当事者、家族、支援者を中心とする多くの方々のご理解とご協力をいただいて、トゥレット症のある人や家族が暮らしやすい社会を目指したいと思います。トゥレット症があっても自分らしく暮らしていける社会は、だれにとっても暮らしやすい社会でもあると思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 

NPO法人日本トゥレット協会会長

金生由紀子(かのうゆきこ)